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お子様の歯を守る~むし歯のメカニズム、シーラント利用、フッ素洗口という観点から

お子様でこのような経験はないですか?

・習慣的に歯磨きをしているのにもかかわらず虫歯になってしまった!

・歯磨きが苦手で、甘いものが大好きで虫歯になってしまった!

・甘いものを食べているのに虫歯になったことがない!  など

 

今日は虫歯のメカニズムや要因、予防方法について書いていきたいと思います。

 

<虫歯とは>

お口の中には300種類以上の細菌が存在しています。この中には虫歯菌や歯周病菌が含まれていますが、特定の細菌、ミュータンス菌などが虫歯の原因菌とされており、虫歯が細菌による感染症であるという考え方が認識されてきています。

 

~虫歯のメカニズム~

  • ミュータンス菌は食事をした後、歯の表面や隙間に残った食べカスなどに含まれる糖を栄養とし歯垢をつくります。
  • 歯垢の中のミュータンス菌が増えて、糖を発酵させて酸をつくります
  • 酸によって歯の表面のエナメル質が溶かされ(脱灰がおこる)虫歯になります

 

~虫歯になる4つの要因~

  • 歯質:虫歯になりやすい歯の質(歯の質が弱い)
  • 細菌:虫歯菌(ミュータンス菌)の数が多い、歯磨きができていない
  • 糖分:不規則な食生活、歯垢になりやすい糖分の摂取
  • 時間:お口の中の酸性の時間、歯に付着・停滞する時間が長時間

4つの要因が重なったときに虫歯ができてしまいます

 

虫歯のメカニズム、要因さえ知っていれば、お子様の食事をした後の歯磨きや食生活・食事内容を見直すこともできると思います。

ちなみに、だらだら食べは時間を決めて、お菓子を食べる時の飲み物は砂糖が入っていないもの(お茶)にしたりと工夫していくのも一つの方法です。

 

 

<予防方法>

乳歯も永久歯も生えたての時期があるものです。歯の萌出後数年間は歯の石灰化度が低く、虫歯のリスクが高いのでこの時期の予防は大切になってきます。

 

~フィッシャーシーラント(小窩裂溝填塞法)~

 

 虫歯になりやすい歯の溝は複雑な形態をしています。

シーラントは、生えたばかりの溝が深い歯にレジンやセメントで溝を封鎖して虫歯を防ぐ方法です。

・メリット

  • 歯ブラシで毛先が届きにくいところがきちんと当たり歯磨きがしやすくなる
  • 高い確率で虫歯予防ができる
  • 生えたばかりの6才臼歯(第一大臼歯)を大人になるまでの期間、虫歯を防ぐことができる
  • 密閉することでバイ菌が入らないようにすることができる

 

・デメリット

  • 外れる可能性がある(定期健診でチェックしてもらうと良いかと思います)
  • 口をきちんと開けられる方でないとできない
  • シーラントをすべての歯にするわけではない

 

対象となる歯は、萌出後間もない健全な乳歯、永久歯(主に6才臼歯)になります。

定期的なフッ化物の塗布とお口の中の清掃状態の確認も必要になってきます。

 

 

~歯科医院でのフッ素塗布と家庭でのフッ素洗口~

 

虫歯予防をするのにフッ素を使うことは効果のある方法だと思います。

最近では歯磨き剤にもフッ素が入っていますが、歯科医院での定期的なフッ素塗布、家庭でのフッ素洗口の2つの方法もあります。

歯科医院でのフッ素塗布では、必ず歯垢を落とします。完全にお口の中がきれいになったうえで高濃度(9000ppm)のフッ素を塗布しますのでフッ素の効果がより高く得られます。

萌出後2~3年は虫歯になりやすいため、定期健診もかねて(当院では3ヶ月に1回)塗布していくと良いと思います。

さわやかなリンゴ味でお子様に不快感が少ないものを使用しています。

 

また、家庭でのフッ素洗口は歯磨き後寝る前に毎日してもらうことによって効果が得られます。フッ素イオンを生えたての歯の表面に作用させることを狙いとしています。

うがいができるようになる4歳頃から永久歯が生えそろう中学生頃まで行うと良いです。

フッ素塗布と洗口を組み合わせることによって虫歯予防効果が発揮されます。

大人の方にもおすすめなのでお子様と一緒に虫歯予防をしてみるのも良いかと思います。

 

このようにシーラントやフッ素をうまく活用して私たちと虫歯になる前に予防していきましょう。

この記事は、河底歯科・矯正歯科院長河底晴紀が書いております。

◾️資格

・歯学博士

・日本矯正歯科学会認定医

◾️所属

日本臨床歯科学会(SJCD)

K-Project

・FCDC

MID-G 

広島県歯科医師会

福山市歯科医師会 理事

一般社団法人福山市歯科医師会附属福山歯科衛生士学校 歯科矯正学講師

 

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