幼稚園、保育園への入園、小学校の新1年生・・・。
お子様の成長もますます楽しみになっていきますね!
しかし時には、わが子と周りの子ども達との成長の違いが心配になることもあるかと思います。
「ことばの発達」の違いも、その1つではないでしょうか
実は、「サ行」「ラ行」は、舌先の細かいコントロールが必要で、発音するにはとても難しい音なのです。
例えば、サ行(サ、ス、セ、ソ)は、シャ行(シャ、シュ、ショ)やタ行(タ、テ、ト)、チャ行(チャ、チュ、チョ)などに置き換えられてしまいます。
なので、「さかな」が、「しゃかな」や「たかな」という発音になります。
また、「おかあさん」より「おかあちゃん」のほうが言いやすいのも分かりますね。
ラ行(ラ、リ、ル、レ、ロ)は、ダ行(ダ、ヂ、ヅ、デ、ド)になってしまいます。
例えば、「らっぱ」を、「だっぱ」と言ったり、「ろぼっと」を「どぼっと」と発音したりします。
【実は、有名人のこの人も・・・】
テレビを見ていると「この人も、なんだか舌足らずな喋り方だなぁ」と思う事ありませんか?
例えば・・・
桐谷健太さん
林修さん
片瀬那奈さん
喋ることが仕事、と言ってもいいくらいの芸能界で活躍している方でも舌足らずな方って結構いらっしゃるんですよね。
この「舌足らずな喋り方」、大人になって治そうとすると、とても大変なのです。
なぜならば、これは「舌のクセ」が原因の1つ。
長年のクセってそう簡単には治らないですよね?
「舌足らずな喋り方」について、もう少し詳しくお話ししましょう。
【最近、舌足らずな喋り方が多いのはなぜ?】
近年、子どもの運動能力の低下、それに伴う筋力の低下も指摘されています。
交通の便利化やテレビゲームなどの非活動的な遊び時間などの増加により、以前に比べて子ども達は運動する時間が短くなったからです。
その運動能力の低下は口腔、ようはお口にも現れてきています。
これまでは、咀嚼や発音の問題は生活にほとんど支障が出てないレベルだったものが、最近の子どもの口腔機能の低下において、咀嚼や発音において日常生活に支障がでることも少なくなくなってきています。
以前のブログで「MFT(口腔筋機能療法)」を紹介しました。
そこで説明していますが、唇や頬、舌は「筋肉」なのです。
手足の筋肉と同様、唇や頬、舌のお口周りの筋肉も、動かさないと衰えてしまい、本来の機能を発揮できません。
舌足らずな喋り方などの「発音が気になる」場合には、様々な要因があり、その要因に合わせた対応があります。
今回は、以前のブログで紹介した「MFT」での対応をお話しします。
発音において、MFT(口腔筋機能療法)は、いわゆる「舌足らずな喋り方」の改善の手助けになります。
「舌足らずな喋り方」は、「舌突出癖」が原因の1つです。
「舌突出癖」とは、簡単にいうと「舌のクセ」で、つねに舌で前歯を押し出したり、ものを飲み込む時に舌を出したりするクセのことです。
舌突出癖が起こる原因はさまざまで、重複して起こる場合が多いのですが、主な原因は次の通りです。
・アレルギー、鼻炎、鼻閉塞などの鼻咽腔疾患
・口腔悪習癖(口呼吸、指しゃぶりなど)
・外傷や乳歯の早期喪失、永久歯の先天性欠如
・舌の形態(巨大舌、舌小帯付着異常)
・口腔周囲筋の筋力低下
【舌足らずな喋り方、改善のためのトレーニング】
当院では、矯正治療と並行してMFTを取り入れ、よりスムーズな治療が行えるようになっています。
MFTの目的は、安静時に舌や口唇を正しい位置で保持できるようになることや、正しい咀嚼や嚥下(飲み込むこと)のパターンを身につけること、です。
それは、舌突出癖をはじめとする口腔習慣は歯列や噛みあわせだけでなく口腔機能全般に影響するからです。
「舌足らずな喋り方」の原因の1つが舌突出癖という「舌のクセ」ですので、今回はMFTでのトレーニング方法をご紹介しますが、MFTだけですべての発音が正しくなるわけではありません。
「気になる発音」を治すには発音の専門家(言語聴覚士)による訓練が必要です。
MFTと発音訓練とは目的が違うことをご理解いただいた上で読み進めてください。
また、MFTのトレーニングは、患者さんの口腔内の状態や性格、習得状況などを考慮しながら行っていきます。
正しいトレーニングの指導が必要となりますので、まずは当院の専門スタッフにご相談ください
この記事は、河底歯科・矯正歯科院長河底晴紀が書いております。
・歯学博士
・日本矯正歯科学会認定医
◾️所属
・FCDC
・福山市歯科医師会 理事
・一般社団法人福山市歯科医師会附属福山歯科衛生士学校 歯科矯正学講師