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むし歯になる確率を大きく下げるフッ素洗口~新潟県の取り組みからみる

虫歯になってしまっているお子様を沢山みてきました。

虫歯の治療をするときに治療台で泣きながら頑張って治療をしてくれたり、大きな虫歯になって神経の治療になったり・・・

保護者の方はそのような治療をしているお子様の姿を見たくないですよね。

 

そこで、当院に通院されているお子様には3ヶ月ごとにフッ化物塗布を行っていますが、

実はフッ化物を直接歯に作用させる方法には3つあります。

・フッ化物入り歯磨き剤を使う方法

・フッ化物を歯に塗っていく方法

・フッ化物で洗口していく方法

この中で、一番効果的といわれているものがフッ化物洗口になります。

う蝕を約半分に抑える効果があります。

 

フッ化物洗口とはフッ化物洗口液を用いて口をすすぐことにより、歯の表面にフッ化物イオンを作用させ、歯の質を強化して虫歯を予防することです。

フッ化物洗口はぶくぶくうがいができるようになる4歳以上が適切です。

4歳から14歳までの期間に実施することで虫歯予防対策として最も大きな効果が得られます。生えそろったばかりの乳歯や萌出直後の永久歯に対する虫歯予防として効果的です。

フッ化物の種類や使用方法によって効果は異なりますがフッ化物洗口に限らずどの方法でも早く始めて毎日、長い期間続けてもらうことが大切です。

 

近年ではご家庭や学校でも使われるようになっていますが、現在日本で一番子どもの虫歯が少ない県として知られているのが新潟県です。新潟県はどのような取り組みをしているのか、お伝えしていきます。

この取り組みは昭和56年からスタートし、当時は12歳児の90%以上(1人平均5本以上)が虫歯だったそうです。

そこで、新潟県は子どもたちの虫歯予防のために、まず保育所や幼稚園、学校などでフッ素洗口の実施を始めたそうです。

他にも学校と歯科医院とで連携し虫歯予防のために学校が医療機関への受診を歓奨したり

学校などで昼食後の歯磨きや保健指導を行い、県歯科医師会はイベントなどをして歯磨きの大切さを呼びかけたりしているそうです。今では、12歳児の虫歯は5人に4人は虫歯が一本もないという結果が出ています。子供たちの歯を守る取り組みが県全体で連携して

行なわれていることがよくわかりますね。

 

ちなみに当院でも1本でも多く虫歯になったお子様、あるいは将来虫歯にならないようにするために、お子様にミラノールというフッ化物洗口剤を使っていただくようにしています。

ミラノール

フッ素洗口剤は夜寝る前に歯磨きをした後フッ化物洗口をして飲食はせずにそのまま寝てもらい、お口の中にフッ化物が長くとどまるので、大きな効果が期待できます。このように、やり方はご家庭でしていただくものになるのでとても簡単です。

しかし、間違って「フッ化物洗口をすれば虫歯にならない」と思い込まないでください。

虫歯になる原因は、虫歯菌、糖質、歯の質、時間、この4つの条件が重なって虫歯になります。ですから、定期的に歯科医院で歯のメンテナンスや虫歯のチェックを行い、きちんとご家庭で歯磨きをしたうえでフッ化物洗口をしてください。

 

なお、一般的には第一大臼歯が生え始める就学前から中学生くらいまで継続していただくとよいですが、むし歯ができやすい大人の方にももちろん、効果です。お子様の場合、エナメル質の成熟期にフッ素洗口を経験することにより、脱灰に対する強い抵抗力をもつ強い歯ができますのでより予防効果が高いです。

 

お子様に初めて歯が生えた時の感動を思い出して、大切にしてあげてくださいね。

この記事は、河底歯科・矯正歯科院長河底晴紀が書いております。

◾️資格

・歯学博士

・日本矯正歯科学会認定医

◾️所属

日本臨床歯科学会(SJCD)

K-Project

・FCDC

MID-G 

広島県歯科医師会

福山市歯科医師会 理事

一般社団法人福山市歯科医師会附属福山歯科衛生士学校 歯科矯正学講師

 

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