先日、親子で歯並びを気にされているというお母さんと話をしたときに、「わあ!知らなかった」と言われた歯並びを悪くする原因をお教え致します。
また、当院に来られる患者さんが持たれている多くの矯正治療のイメージは、二期治療(成人矯正)で歯が永久歯に交換してからでないとできないと勘違いされています。
歯科医療も大学で矯正学を学ぶとき、抜歯をしていかに歯を並べるかという矯正を主体として学びます。
しかし、歯並びの良い子にする予防的な方法があります。
今回は、子供の歯並びが悪くなる癖、異常についてお教え致します。参考にしてみてください。
① 指しゃぶり⇒出っ歯になります。
3歳くらいまでの指しゃぶりは子供にとって、弊害はないですが、5歳を過ぎても指しゃぶりをしていると歯並びに影響が出てきます。
② 口呼吸⇒出っ歯になります。
通常は鼻呼吸をすることによって、鼻の空洞は広がり、上顎もよく成長し歯並びがきれいになります。しかし、口呼吸の方は口で呼吸するため、上顎が成長できず狭くなります。
③ 下唇をかむ癖⇒出っ歯になります。
下唇をかむと、下の歯は内側に倒れ、デコボコになります。
④ 舌を出す癖⇒開咬になります。
ものを飲むときや喋るときに舌を歯と歯の間にはさむ癖のある人は開咬になります。開咬とは、奥歯はかみ合っても前歯がかみ合わない状態のものです。前歯でモノを噛み切ることができません。
⑤ 爪や鉛筆をかむ癖⇒前歯がずれます。
何かをかむ癖があると、その噛む歯に力が加わり、前に出る可能性があります。
⑥ やわらかいものばかり食べる⇒歯がデコボコになります。
昔に比べて堅いものを食べない傾向にあります。ハンバーグ、パスタなど現代の食事は咀嚼する回数が少ないので、口まわりの筋肉が使われないので、顎が小さくなります。また、昔に比べ、食事の栄養価は高いので一本一本の歯は大きくなる傾向にありますので、余計におしくらまんじゅう状態になってデコボコになります。
⑦ 頬杖をつく⇒噛み合わせが悪くなります。
重い頭を一点で支えることになるので奥歯の噛み合わせが乱れます。
以上が歯並びを悪くする癖です。そのほかにも、下記のような異常があります。
当院では、院長が日本矯正歯科学会の認定医です。適切な時期に適切な処置を行い、歯並びを悪くする原因を取り除くことができます。
① 上唇小帯が太い⇒すきっ歯になります。
② 舌小帯が短い⇒受け口になります。
③ 過剰歯がある⇒前歯が生えてこない
④ 歯が極端に小さい矮小(わいしょう)歯がある⇒歯に隙間ができます。
⑤ 癒合(ゆごう)歯がある⇒歯がデコボコになります。
⑥ 乳歯がむし歯になる⇒永久歯の生えてくるスペースがなくなります。
よく、乳歯のむし歯はいずれ抜けるから何も問題ない!と思われているお母さまがいらっしゃいます。永久歯の生えてくるスペースもなくなりますし、痛みがあれば、痛みを避けて偏った噛み合わせになることもありますので、むし歯ゼロがいいですね。また、乳歯はむし歯になったら抜いたらいいと思うのも間違いです。乳歯は永久歯が生えてくるスペースのガイドの役割もしていますので、早く抜いたらいいというものでもないのです。
いかがですか?
もちろん、遺伝的要素もありますが、上記のような癖や異常を排除することにより、歯並びが改善することもあります。
河底歯科・矯正歯科では、永久歯交換前にする治療を1期治療と呼び、お口の周りの筋肉をトレーニングする装置を使用したり、狭い顎を広げる装置を使用したり、MFTという口腔機能のトレーニングを指導したりしております。
よくお母さまが成人矯正をされていると特に1期治療について、誤解をされているケースがあります。1期治療から矯正治療を始めると、通う回数は長くはなりますが、歯並びを悪くする原因を排除するトレーニングができたり、2期治療に進んでも抜歯の可能性を低くしたり、2期治療の期間が結果的に短くなるケースがあったり、とよいことがいっぱいです。
「食べよう 笑おう 幸せになろう」笑顔の先には輝く未来があります。
この記事は、河底歯科・矯正歯科院長河底晴紀が書いております。
・歯学博士
・日本矯正歯科学会認定医
◾️所属
・FCDC
・福山市歯科医師会 理事
・一般社団法人福山市歯科医師会附属福山歯科衛生士学校 歯科矯正学講師