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【日本矯正歯科学会認定医が解説】リンガルアーチはいつまでするの?分かりやすくご説明!

日本矯正歯科学会認定医  河底晴紀

「リンガルアーチっていつまで付けるの?」「しゃべりにくいって聞いたけど本当?」

そんな疑問をお持ちの方へ。矯正治療でよく使用される「リンガルアーチ」について、日本矯正歯科学会認定医である私が、わかりやすく徹底解説いたします。

福山で矯正歯科をお探しの方や、お子さまの矯正治療をご検討中の親御さんに向けて、リンガルアーチの目的・装着期間・生活での影響・効果まで丁寧にお伝えします。


◆ リンガルアーチとは?

リンガルアーチ(Lingual Arch)とは、上顎または下顎の奥歯(第一大臼歯)に装着するワイヤー型の矯正装置です。

「リンガル」とは「舌側(内側)」という意味で、歯の内側にワイヤーが通るため見えにくいのが特徴です。

ワイヤーの両端は奥歯のバンドに固定され、内側に湾曲したワイヤーが舌側の歯列に沿って配置されます。見た目が目立たず、食事や会話にもほとんど影響しないため、小児矯正や永久歯列の管理にもよく使われます。


◆ リンガルアーチの主な目的

歯列のスペース確保・保定

混合歯列期(乳歯と永久歯が混在している時期)において、永久歯が生えるスペースを確保するために使用されます。

たとえば乳歯が早く抜けてしまった場合、その隙間を周囲の歯が倒れて埋めようとするのを防ぎます。これを**「スペースメンテナー(保隙装置)」**とも呼びます。

舌側からの歯列コントロール

永久歯が生え揃う際に、歯の内側から歯列の乱れをコントロールできます。

出っ歯やすきっ歯の予防・改善、下顎前突(受け口)の補助治療にも使われます。

舌癖や噛み合わせの改善

舌を前に押し出す癖(舌癖)がある場合、リンガルアーチが舌の位置をガイドし、正常な発音や嚥下を促す効果も期待できます。


◆ リンガルアーチはいつまでつけるの?

▼ 一般的な使用期間の目安

  • **乳歯から永久歯に生え変わる時期(6〜12歳ごろ)**に装着

  • 目的に応じて6ヶ月〜2年程度装着するのが一般的

  • 永久歯の萌出が安定し、歯列に乱れがないと判断されるまで使用されます

装置を外すタイミングは、永久歯が正しい位置に生え、歯列全体が安定したと判断されたときです。

▼ 使用期間は個人差あり

  • 乳歯の早期脱落がある場合は長めに使用する

  • 骨格や舌癖の影響が強い場合も、管理期間が長くなることがあります

定期的なチェックとレントゲン診査で、最適なタイミングを見極めます。


◆ リンガルアーチはしゃべりにくい?生活への影響は?

「つけると話しにくいのでは?」「食べ物が引っかかるのでは?」と心配される方も多いですが、実際はほとんど日常生活に支障はありません。

◆ 話しづらさは慣れで解消

  • 初めの数日は、サ行・タ行の発音がしにくいと感じることがあります

  • 1週間程度で舌の動きが慣れ、自然に話せるようになります

◆ 食事について

  • 基本的には普通に食事ができます

  • ただし、粘着性のあるもの(キャラメル・ガムなど)は避けましょう

  • 食後は水やうがいで口内を清潔に保ちましょう


◆ リンガルアーチの効果は?

リンガルアーチは「見えにくい」だけでなく、高い効果が期待できる装置です。

① 将来の歯列不正を予防できる

乳歯が早く抜けた場合、放置すると隙間が閉じて永久歯が正しい位置に生えられなくなることがあります。

リンガルアーチはその隙間をしっかりとキープすることで、将来的な歯列矯正の必要性を減らすことが可能です。

② 骨格のバランスをサポート

成長期のお子さんに装着することで、顎の成長や骨格のバランスを整える補助的な役割を果たすこともあります。

③ 本格矯正の準備として最適

永久歯列期に移行する前の**“第一期治療”として非常に有効**であり、本格的なワイヤー矯正やマウスピース矯正に移行する際に、よりスムーズな治療が可能になります。


◆ まとめ:リンガルアーチは“早めの矯正”の鍵を握る装置!

項目 内容
装着目的 永久歯の生えるスペースの確保、舌癖防止、歯列安定
装着期間 約6ヶ月~2年(個人差あり)
日常生活への影響 発音は一時的、食事は基本OK
効果 歯列不正の予防、顎の成長管理、本格矯正への準備

※当記事は「矯正歯科」「リンガルアーチ」に関する情報を広く提供することを目的としています。症状や治療方針は個別に異なるため、詳しくは専門医による診断を受けてください。

「矯正っていつから始めればいいの?」

その答えのひとつが、リンガルアーチを活用した早期予防矯正です。

福山で信頼できる矯正歯科をお探しの方は、ぜひ一度ご相談ください。

お子さまの将来の笑顔のために、今できることから始めましょう。

この記事は、河底歯科・矯正歯科院長河底晴紀が書いております。

◾️資格

・歯学博士

・日本矯正歯科学会認定医

◾️所属

・日本臨床歯科学会

K-Project

・FCDC

MID-G 

広島県歯科医師会

・福山市歯科医師会 理事

#リンガルアーチ

#リンガルアーチの役割

 

 
 
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