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食いしばりによる歯のダメージとその治療法:スプリント療法とボトックス療法の徹底解説

日本矯正歯科学会認定医・歯学博士 河底晴紀

 

食いしばりは、多くの人が知らず知らずのうちに行っている癖ですが、放置すると歯や顎に深刻なダメージをもたらすことがあります。当院では、科学的なアプローチで食いしばりの治療を提供しています。本記事では、食いしばりの原因や影響、当院で行っている治療法、さらに睡眠時の食いしばりを計測する先進的な取り組みについてご紹介します。


食いしばりが引き起こす歯のダメージ

1. 歯の摩耗や割れ

強い力で歯を食いしばると、歯の表面が削れたり、ひび割れが生じることがあります。特に奥歯はその影響を受けやすい部位です。

2. 顎関節症

食いしばりは顎関節に過剰な負担をかけ、顎の痛みや開口時の音が発生する「顎関節症」の原因となります。

3. 筋肉の張り

顔や首、肩の筋肉が緊張し、頭痛や肩こりといった全身の症状を引き起こすこともあります。


当院で行う食いしばり治療

1. スプリント療法

概要

スプリント(マウスピース)を歯列に装着することで、食いしばりの力を分散し、歯や顎への負担を軽減する治療法です。

メリット

  • 費用が手頃:1回の費用は約6,000円と比較的安価。
  • 非侵襲的な治療:装着するだけで症状を緩和できます。
  • 副作用が少ない:薬剤を使用しないため、身体への負担が少ない。

デメリット

  • 継続使用が必要:毎晩装着しなければ効果が得られません。
  • 根本的な解決にはならない:原因そのものを解消するわけではなく、症状の緩和が主な目的です。

2. ボトックス療法

概要

ボツリヌストキシン(ボトックス)を顎の筋肉(咬筋)に注射し、筋肉の緊張を抑える治療法です。即効性があることがエビデンスで証明されているため、多くの患者様に選ばれています。

メリット

  • 即効性がある:注射後、早ければ数日で症状が緩和されます。
  • 筋肉の緊張を直接抑える:咬筋の活動を抑制し、根本的に症状を改善します。
  • 長期的な効果:定期的な施術を行うことで持続的に改善が期待できます。

デメリット

  • 自費診療:1回の費用は33,000円(両側)ですが、継続治療で22,000円となり継続される方に安価にしています。
  • 効果の持続期間が限られる:効果は3~6ヶ月程度のため、定期的な治療が必要です。
  • 軽微な副作用:注射部位に痛みや腫れが出ることがあります。

食いしばり治療を検討している方へ

食いしばりは放置すると歯や顎だけでなく、全身に影響を及ぼす可能性があります。当院では、スプリント療法やボトックス療法などの治療に加え、睡眠時の食いしばりを「見える化」する機器を活用し、患者様一人ひとりに最適な治療を提供しています。

「食いしばりかな?」と感じたら、ぜひ一度ご相談ください。治療を通じて、健康な歯と快適な生活を取り戻しましょう!

この記事は、河底歯科・矯正歯科院長河底晴紀が書いております。

◾️資格

・歯学博士

・日本矯正歯科学会認定医

◾️所属

・日本臨床歯科学会

K-Project

・FCDC

MID-G 

広島県歯科医師会

・福山市歯科医師会 理事

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