日本矯正歯科学会認定医・歯学博士 河底晴紀
近年、「歯並び」は見た目の美しさだけでなく、健康面や機能面においても重要視されるようになっています。特に芸能人は、笑顔や表情がイメージを大きく左右するため、歯並びが持つ印象はとても大切です。日本では「出っ歯」や「八重歯」といった特徴的な歯並びを持つ芸能人が、個性的な魅力を発揮しています。
この記事では、出っ歯と八重歯の違いや、それぞれが与えるイメージ、機能的な側面、審美的な観点について徹底解説し、さらに人生100年時代において歯並びを治したほうが良いのかどうかについても考察していきます。
出っ歯とは?
出っ歯の定義
「出っ歯」とは、上の前歯が下の前歯よりも大きく前に突出している歯並びの状態を指します。歯科医学的には「上顎前突(じょうがくぜんとつ)」と呼ばれ、骨格的な要因や舌癖、口呼吸などが原因となることが多いです。
出っ歯の特徴
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明るく親しみやすい印象を与える
出っ歯の方は、笑顔になったときに歯が目立つため、元気で快活なイメージを持たれやすい傾向があります。 -
横顔の特徴が際立つ
上顎が前に出ていることで、横顔が独特なシルエットになります。 -
発音や咀嚼への影響
上の歯が前方にあるため、空気の漏れが多く「サ行」「タ行」の発音が難しくなる場合があります。
出っ歯の代表的な芸能人:明石家さんまさん
明石家さんまさんの明るく快活なキャラクターは、彼の特徴的な出っ歯によってさらに親しみやすい印象を与えています。さんまさんの笑顔は、見ている人を自然と笑顔にするパワーを持っており、出っ歯が彼のトレードマークとなっています。
八重歯とは?
八重歯の定義
「八重歯」とは、上顎の犬歯(糸切り歯)が歯列から飛び出している状態を指します。日本では「かわいい」とポジティブに受け取られることが多いですが、海外では「歯並びが悪い」とネガティブに捉えられることもあります。
八重歯の特徴
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愛嬌があり、親しみやすい印象
笑ったときに見える八重歯は、若々しさやお茶目な雰囲気を演出します。 -
歯のケアが難しい
凹凸があるため歯磨きがしにくく、虫歯や歯周病のリスクが高くなります。 -
発音や噛み合わせに影響を与えることも
歯並びの乱れにより、上下の噛み合わせがズレることで、顎の負担が増えることがあります。
八重歯の代表的な芸能人:藤原竜也さん
藤原竜也さんの八重歯は、彼の少年らしさや純粋なキャラクターを引き立てる要素の一つです。真剣な役柄からコミカルな役柄まで幅広くこなす藤原さんの演技に、八重歯の親しみやすさが絶妙にマッチしています。
歯の機能から見た場合
歯並びは、見た目だけでなく「食べる」「話す」「呼吸する」といった機能にも大きな影響を与えます。出っ歯と八重歯、それぞれの機能面について考察してみましょう。
出っ歯の機能的な影響
- 咀嚼機能の低下
前歯が前に出ていることで、硬い食べ物を噛み切るのが難しくなり、奥歯に負担がかかることがあります。 - 発音のしづらさ
「サ行」「タ行」など、舌を歯に押し当てる発音がしづらくなることがあります。 - 口呼吸になりやすい
出っ歯の場合、口が閉じにくいため口呼吸の原因となり、口腔内の乾燥を招くこともあります。
八重歯の機能的な影響
- 咀嚼機能の低下
噛み合わせが不安定になることで、食事中に食べ物をしっかり咀嚼できないことがあります。 - 歯の清掃が難しい
八重歯は歯並びが不規則なため、歯垢が溜まりやすく、虫歯や歯周病のリスクが高くなります。 - 顎への負担
正しい噛み合わせができないことで、顎関節に負担がかかり、顎関節症の原因となることもあります。
歯の審美面から見た場合
美しい歯並びは、第一印象を大きく左右します。特に芸能人にとって、歯並びは「キャラクター」を決定づける要素とも言えるでしょう。
出っ歯の審美的な影響
- 明るく親しみやすい印象を与える
- 笑顔が大きく見え、表情が豊かに感じられる
- 横顔のシルエットに影響が出ることも
八重歯の審美的な影響
- かわいらしく、親しみやすい印象を与える
- ナチュラルでチャーミングなイメージを演出
- 歯並びの整った美しさを求めるシーンではマイナスに映る場合も
人生100年時代、歯並びは治したほうがいい?
近年、人生100年時代と言われ、健康寿命を延ばすためにも歯並びの改善が重要視されています。歯並びを整えることで、以下のメリットが得られます。
- 食べる機能の向上
正しい噛み合わせで、栄養をしっかり摂取できるようになります。 - 虫歯・歯周病のリスク低減
歯並びを整えることで、清掃がしやすくなり、口腔の健康を維持しやすくなります。 - 自信のある笑顔を手に入れる
笑顔に自信が持てることで、対人関係や自己肯定感にも良い影響を与えます。
まとめ
出っ歯と八重歯、それぞれに異なる魅力がありますが、機能面や健康面を考慮すると、矯正治療を検討するのも一つの選択肢です。芸能人のように個性を活かしながら、健康的な歯並びを維持することで、より良い人生を送ることができるでしょう。
この記事は、河底歯科・矯正歯科院長河底晴紀が書いております。
・歯学博士
・日本矯正歯科学会認定医
◾️所属
・日本臨床歯科学会
・K-Project
・FCDC
・MID-G
・福山市歯科医師会 理事