日本矯正歯科学会認定医・歯学博士 河底晴紀
矯正治療にはさまざまな方法がありますが、その中でもワイヤー矯正と**インビザライン(マウスピース矯正)**は特に人気があります。それぞれにメリット・デメリットがあり、「どちらを選ぶべきか?」と迷う方も多いでしょう。
そこで近年注目されているのが、**ワイヤー矯正とインビザライン矯正のいいとこ取りができる「ハイブリッド矯正」**です。ワイヤー矯正で効率的に歯を動かし、仕上げの段階でインビザラインに切り替えることで、より快適に矯正を進めることができます。
今回は、高校生にもわかりやすくハイブリッド矯正の特徴やメリットについて詳しく解説していきます。
1. ワイヤー矯正とインビザライン矯正の違い
ワイヤー矯正のメリット
✅ 歯が一度に動く量が大きい
ワイヤー矯正の最大のメリットは、歯の移動スピードが速いことです。ワイヤーとブラケットを用いることで、しっかりと力をかけて歯を動かせるため、大きくズレている歯並びを短期間で整えやすいのが特徴です。
✅ 適用範囲が広い
ガタガタの歯並び(叢生)、出っ歯、受け口、開咬など、ほとんどのケースに対応可能なのがワイヤー矯正の強みです。インビザラインでは治療が難しい症例も、ワイヤー矯正なら対応できることが多いです。
ワイヤー矯正のデメリット
❌ 見た目が気になる
金属のワイヤーとブラケットを装着するため、矯正装置が目立ちやすいのがデメリットです。
❌ ワイヤーが刺さることがある
歯列の関係でワイヤーの端がほっぺや歯茎に刺さり、痛みを感じることがあります。
インビザライン矯正のメリット
✅ 透明で目立ちにくい
インビザラインは透明なマウスピース型の矯正装置を使用するため、装置が目立たず、矯正中でも自然な見た目をキープできます。
✅ 取り外しができる
食事や歯磨きの際に取り外せるので、食べ物が詰まる心配がなく、口腔ケアがしやすいです。
インビザライン矯正のデメリット
❌ 歯の動きがマイルドで遅い
インビザラインは歯を少しずつ動かすため、ワイヤー矯正ほど短期間で大きく歯を移動させることができません。そのため、大きな歯のズレを矯正するのには向いていません。
❌ 装着時間を守らないと効果が出にくい
1日20時間以上装着しないと、計画通りに歯が動かず、治療期間が長くなってしまいます。
2. ハイブリッド矯正とは?
ハイブリッド矯正とは、最初にワイヤー矯正で歯を大きく動かし、その後インビザラインに移行する矯正方法です。
この方法を選ぶことで、
✅ ワイヤー矯正で歯を素早く動かす ✅ 装置の見た目が気になる期間を短くする ✅ ワイヤーの違和感や痛みを軽減する ✅ 最終仕上げをインビザラインで快適に行う
といったメリットがあります。
3. ハイブリッド矯正のメリット
① 矯正期間を短縮できる
ワイヤー矯正でまず歯を大きく動かしてから、インビザラインで仕上げることで、全体の矯正期間を短縮することが可能です。
② 装置の見た目が気になる期間を短くできる
「矯正装置が目立つのが嫌」という方も、ハイブリッド矯正ならワイヤー矯正の期間を短縮し、早めにインビザラインに移行することで、見た目のストレスを軽減できます。
③ ワイヤー矯正の痛みがある人も快適に
ワイヤー矯正のワイヤーが刺さることが多い場合(歯列の関係でそういう方がいらっしゃいます)途中でインビザラインに切り替えることで、痛みを軽減しながら矯正を続けることができます。
④ ブライダルやイベント前にも対応可能
結婚式や卒業式などの大事なイベントに向けて、ワイヤー矯正で早めに歯を動かし、イベント前にインビザラインに切り替えることで、見た目の不安を解消することができます。
4. ハイブリッド矯正の流れ
1️⃣ ワイヤー矯正(3ヶ月~1年)
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最初にワイヤー矯正で大きく歯を動かします。
2️⃣ インビザラインに移行(半年~1年)
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ある程度歯が整ったら、インビザラインに切り替えます。
3️⃣ 保定期間(リテーナーを装着)
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矯正後の歯並びを安定させるために、リテーナーを使用します。
5. まとめ
ハイブリッド矯正は、ワイヤー矯正とインビザラインの良いところを組み合わせた矯正方法です。
✅ ワイヤー矯正のメリット → 短期間で大きく歯を動かせる!
✅ インビザラインのメリット → 透明で目立たず、快適な矯正ができる!
✅ ハイブリッド矯正なら… → 矯正期間を短縮し、見た目のストレスを軽減できる!
「矯正したいけど、どの方法がいいか迷っている…」という方は、ぜひハイブリッド矯正の選択肢も検討してみてください!
この記事は、河底歯科・矯正歯科院長河底晴紀が書いております。
・歯学博士
・日本矯正歯科学会認定医