役作りで歯を抜いた芸能人〜それほど歯で口元や顔の印象が変わるってことです

日本矯正歯科学会認定医・歯学博士河底晴紀

1. 北村一輝の壮絶な役作り～前歯9本を抜いたエピソード

日本の俳優、北村一輝さんが映画『JOKER 厄病神』（1998年公開）での役作りのために前歯9本を抜き、さらに4本を削ったエピソードは、業界内外で広く知られています。この大胆な選択は、凄みのあるチンピラ役を演じるためのものでした。

北村さんは「歯を9本抜いて、5～6本削って、ほとんどの歯に手を加えました」と語り（2024年「徹子の部屋」で）その過去を「車が買えるぐらいのメンテナンス費用がかかっています」と苦笑いしながら振り返っています。このような壮絶な役作りからも、歯が外見や印象に与える影響がいかに大きいかがわかります。

#北村一輝さん徹子の部屋より（https://www.telasa.jp/videos/224313）

2. ハリウッド俳優たちの壮絶な役作り

ロバート・デ・ニーロ

ハリウッドを代表する名優ロバート・デ・ニーロも、役作りに対する徹底ぶりで知られています。映画『ケープ・フィアー』では執念深い犯罪者を演じるため、歯をわざと削り汚れたように見せる処置を施しました。この処置により、キャラクターの不気味さが一層際立ち、観客に強烈な印象を残しました。デ・ニーロのこうした献身的な役作りは、多くの俳優に影響を与え続けています。

ブラッド・ピット

世界的な俳優ブラッド・ピットも、映画『ファイト・クラブ』での役作りのために歯を削りました。この映画では、社会の底辺で生きる荒々しいキャラクターを演じる必要があり、ボロボロの歯並びを演出することでその生きざまを象徴的に表現しました。撮影終了後、ピットは歯科治療を受け、元の美しい歯を取り戻しましたが、この大胆な選択は彼の演技力と役への情熱を示しています。

3. 奥歯を抜くとどうなるのか？

歯の中でも特に重要な役割を果たすのが奥歯です。皆さんはどの歯で食べ物をすりつぶしていますか？

奥歯は食べ物を噛み砕き、栄養を体内に吸収するための基本的な機能を担っています。奥歯を失うと次のような影響が現れる可能性があります：

噛む能力の低下
奥歯がなくなることで、十分に食べ物を噛み砕けなくなり、消化不良や栄養の吸収不足を引き起こす可能性があります。
噛み合わせのバランスが崩れる
奥歯がなくなったスペースを埋めるため、他の歯が動き始めることがあります。これにより、噛み合わせ全体のバランスが崩れ、歯並びの悪化や健康な歯への負担増加を招きます。
全身の健康への影響
噛む力の低下は、顎の骨の退化や筋力の低下を招き、さらに全身の健康にも影響を及ぼすことがあります。

奥歯の健康を維持することは、歯全体の健康を守るだけでなく、全身の健康にとっても重要です。