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子どもの歯科矯正の重要性:日本矯正歯科学会認定医の解説

日本矯正歯科学会認定医河底晴紀

こんにちは、福山市で矯正治療を行っている河底歯科・矯正歯科の院長、河底晴紀です。今回は、子どもの歯科矯正について詳しくお話しします。子どもの歯科矯正は、単に美しい笑顔を作るだけでなく、口腔の健康全般にわたる重要な役割を果たします。この記事を通じて、子どもの歯科矯正の重要性やメリット、治療のタイミング、治療法についてご紹介します。

子どもの歯科矯正が重要な理由

1. 口腔機能の改善

歯並びが悪いと、食べ物をうまく噛み砕けなかったり、正しい発音が難しくなったりします。これにより、消化不良や発音障害が生じることがあります。矯正治療によって歯並びを整えることで、これらの問題を改善できます。

2. 将来的な健康リスクの軽減

歯並びが悪いと、歯磨きが難しくなり、虫歯や歯周病のリスクが高まります。子どものうちに不正咬合の矯正治療を行うことで、これらのリスクを軽減し、健康な歯を維持することができます。

e-ヘルスネット(厚生労働省)参照

3. 顎の成長と発達のサポート

子どもの顎は成長途中にあります。矯正治療を行うことで、顎の成長を適切に誘導し、将来的な噛み合わせの問題を予防できます。特に、顎の成長が終わる前に治療を開始することが重要です。

4. 自尊心と心理的健康の向上

美しい歯並びは、子どもの自尊心や社会的な自信にも大きな影響を与えます。矯正治療によって見た目が改善されることで、子どもはより積極的にコミュニケーションを取れるようになります。

矯正治療のタイミング

1. 早期治療の重要性

早期治療(一次治療)は、7-8歳頃に始めることが一般的です。この時期に矯正治療を始めることで、顎の成長を誘導し、将来的な歯並びや噛み合わせの問題を予防できます。特に、上顎前突(出っ歯)や反対咬合(受け口)などの問題は、早期治療が効果的です。

2. 永久歯が生えそろった後の治療

永久歯が生えそろった後(12-14歳頃)に始める矯正治療は、具体的な歯並びの改善に焦点を当てます。この時期の治療は、歯の移動が比較的容易であり、効果的な治療が可能です。

矯正治療の方法

・取り外し式矯正装置(FKO、T4Kなど)

就寝時につける装置は歯並びをよくするための予防装置であったり、実際に歯並びを改善する装置だったりします。

・固定式矯正装置(ブラケット)

固定式矯正装置は、歯の表面にブラケットを取り付け、ワイヤーで歯を移動させる方法です。この方法は、広範囲の歯並びの問題に対応でき、効果的な治療が可能です。特に、複雑な歯並びの問題には適しています。

・ 取り外し式矯正装置(インビザライン)

取り外し式矯正装置(インビザライン)は、透明なマウスピースを使用して歯を移動させる方法です。この方法は、見た目に配慮しながら治療を進めることができ、取り外しが可能なため、食事や歯磨きがしやすいのが特徴です。

 

子どもの矯正治療の費用

1. 治療費の概要

矯正治療の費用は、治療方法や治療期間、地域によって異なります。一般的には、固定式矯正装置の場合で30万円~80万円、取り外し式矯正装置の場合で50万円~100万円程度が目安です。

2. 保険適用の有無

日本では、矯正治療は基本的に保険適用外ですが、顎変形症などの特定の条件を満たす場合は、保険適用になることがあります。保険適用の対象となるかどうかは、担当医に確認してください。なお、当院では保険適用の矯正はしておりません。

矯正治療中のケア

1. 毎日の歯磨き

矯正治療中は、歯磨きが特に重要です。矯正装置によって歯磨きが難しくなるため、専用の歯ブラシやフロスを使用して、しっかりと歯垢を取り除きましょう。

2. 定期検診

定期的な検診を受けることで、治療の進行状況を確認し、必要に応じて調整を行います。定期検診は、治療の成功に欠かせない重要なステップです。

3. 食事の注意点

矯正治療中は、硬い食べ物や粘着性のある食べ物を避けることが推奨されます。これらの食べ物は、矯正装置を破損させる可能性があります。

 
 

福山市の歯医者 河底歯科・矯正歯科の院長が持つ日本矯正歯科学会の認定医資格の取得には、

5年以上の矯正治療の経験及び50症例以上の実績が必要とされています。
心身ともに良い影響を与えてくれる矯正治療ですから、矯正治療を受けられる際は、

矯正の専門知識を持った歯科医院で治療を行うことをお奨めします。

小児矯正を行う時期

小児矯正は大きく分けて、2つのステップに分かれます。

乳歯~永久歯交換期に行う1期治療(目安は8歳前後)

この時期は、成長とともに状態を悪化させる要因を取り除き、その後の成長発育が、できるだけバランスのとれたものになるように軌道修正をする期間です。お子様本人の成長力を引き出すことで、大きな効果が期待でき、幅広い治療が可能な時期です。まさに治療を始める絶好のタイミングと言えます。
具体的には、主として着脱式の装置を用い、就寝時などに装着していただきます。

当院の1期治療で使用する装置
  • 1.歯列矯正用咬合誘導装置(FKO:エフカオー)
    「噛む」という機能を利用して上顎前突(いわゆる出っ歯)の顎のずれを改善します。この装置は下顎の前方成長を促す機能を持っており、これにより出ている上顎の位置関係を調整することができます。
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  • 2.歯列矯正用咬合誘導装置(T4K:ティーフォーケー)
    口腔筋機能トレーナー型の装置です。お口の周りの筋肉を利用して、間違った舌位置や口呼吸のような癖を改善することにより、歯並びや顎の発育を正しい方向に誘導する装置です。
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  • 3.拡大床(かくだいしょう)
    矯正装置にネジが埋め込まれており、ネジの力で顎や歯列を拡大して歯がきれいに並ぶスペースを作ります。
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  • 4.歯列矯正用咬合誘導装置(ムーシールド)
    反対咬合(受け口)を改善する機能的顎矯正装置です。使用することによって、筋肉のバランスを整え、顎が正常に成長するように促します。
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上記①から④の装置はお子様の自然な顎の骨の成長を利用してできる治療法のため、痛みもほとんどありません。
一般的なワイヤー矯正は取り外しができませんが上記装置は食事や歯磨きの際などに取り外しができ、比較的、お子様の負担を軽減して治療を行えます。ただし、装着時間が長い程、効果が得られるので、できるだけ長い装着を心がけましょう。

また、上記の取り外し式装置に加え、目的に応じて下記装置を使用することもあります。

  • 1.ヘッドギア
    上顎前突(いわゆる出っ歯)の場合に、上顎の骨の成長抑制をおこなったり、上顎の奥歯を後方に動かして、歯並びの上下のバランスを整えていきます。基本的に夜間のみ使用する取り外し式の装置になります。
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  • 2.リンガルアーチ
    歯の裏側から金具をつけて、歯を動かしたり、その位置で固定したりします。奥歯がでないように固定したり、細いバネで歯を正しい位置に移動することができます。
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  • 3.ブラケット
    2期治療に使用するブラケットを局所的に短期間使用することがあります。
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このような発想で、歯列の拡大や奥歯の移動を行います。

しかし、いかなる矯正技術を駆使しても、無理に歯を並べたところで良好なかみ合わせや、きれいな口元になりません。このような場合には、抜歯をして治療をしたほうが審美的にも機能的にも良好な結果が得られます。
したがって、「床矯正だけで」「100%歯を抜かずに」歯並びを治せるというのは、間違いです。
床矯正は、きちんとした矯正技術を持つ歯科医が適切な時期をみて、一時的に使うなら効果的と言えます。

顎を拡大すれば誰でも自然と歯がきれいに並ぶわけではありません。
矯正治療のゴールは永久歯列において歯並び、咬み合わせ、および口元がよい形になっていることです。
時には、ゴールまで到達するのにあえて1期治療は行わないという選択肢も患者様によってはあります。
これらの診断には、特殊な設備・機械(デジタル)と、矯正治療に長年携わる経験(アナログ)が必要になります。

当院では、お子様の矯正治療には院長が診断のうえ、様々な装置を使用します。通常、大学病院では装置毎に費用がかかりますが、当院では、料金体系をシンプルにするために装置毎に費用はいただいておりません。
(過失・故意による紛失・破損は別途費用がかかります。)
上記に加え、舌癖があるお子様には、MFTといわれる口腔筋機能のトレーニングも行っております。

 

 

 

不正咬合の予防

  • むし歯や歯周炎の予防
  • ドライマウスや舌痛症の改善
  • 発音の改善
  • 姿勢が整う
  • 口臭の軽減

歯並びが整い、正しいかみ合わせになることで、得られるメリットがたくさんあります。

せっかく長い時間をかけて矯正治療を終えても、口腔内の環境や悪癖が今までのままでは後戻りしやすくなってしまいます。
美しい歯並びを維持するための基礎としても、MFTで口腔環境・口腔機能を正常に整えておくことが大切です。

永久歯に生え替わったタイミングで行う2期治療

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2期治療からは、大人の矯正と同じになります。
歯にブラケットと呼ばれるボタンのような装置を装着し、全体の噛み合わせを改善し、歯を一本一本並べる治療となります。1期治療の後、2期治療に進むと、比較的短い期間で歯並びの改善が見込まれます。
※初診時に永久歯が生え揃っている方は成人矯正と同じ扱いとなります。

まとめ

子どもの歯科矯正は、単に美しい笑顔を作るだけでなく、口腔の健康全般にわたる重要な役割を果たします。早期治療や適切なケアを行うことで、将来的な健康リスクを軽減し、子どもの自信と健康を支えることができます。福山市で矯正治療を検討されている方は、ぜひ当院にご相談ください。日本矯正歯科学会認定医として、最適な治療を提供し、皆様の健康と笑顔をサポートいたします。

 

この記事は福山市で人気の歯科、河底晴紀が書いています。Google口コミもチェックしてくださいね。

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◾️資格

・歯学博士

・日本矯正歯科学会認定医

◾️所属

日本臨床歯科学会(SJCD)

K-Project

・FCDC

MID-G 

広島県歯科医師会

福山市歯科医師会 理事

一般社団法人福山市歯科医師会附属福山歯科衛生士学校 歯科矯正学講師

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