今日は矯正治療の装置の1つMEAWについてお話ししたいと思います。
皆さんは、MEAWという矯正装置を聞いたことはありますか?
おそらく聞いたことがない方も多いかと思います。
「MEAW」は、オーストラリア咬合学という理論に基づいた治療法で、噛み合わせの概念を組み合わせて行います。 Multiloop Edgewise Arch Wire(マルチループエッチワイズアーチワイヤー)という頭文字をとったもので、キム先生により1980年代に考案されました。私はMEAWの特殊な形状をしたワイヤーを初めて見た時、ラーメンのどんぶりの周りにある模様に似ているなと思いました。MEAWは「ミャウ」と読み意味は、ループを使って歯を3次元的に自由に動かすことが出来るワイヤーという意味です。
主に開咬、出っ歯、受け口などの治療で用いています。
『特徴』
ループを使って上下左右手前奥と自由に歯を1本1本動かすことが出来る装置で、倒れている歯を起こしたり、引き上げることも出来ます。
また、噛み合わせの改善も期待出来ます。
『メリット』
・従来の矯正治療に比べ、比較的短い期間で治療を行うことが出来る。
この特殊なワイヤーが歯を同時に複数の方向へ動かすことが可能なので、個人差はありますが、治療期間が短くできます。
・歯を1本1本動かせるため、噛み合わせを正しい位置へ整えることが出来る。
従来の矯正治療は、歯を前後に動かして歯並びを良くすることしか出来ませんでしたが、MEAWは前後左右だけではなく、上下にも動かすことが可能なため、見た目だけではなく噛み合わせのバランスを整えることができます。
MEAWを装着すると、上下歯並びの間で顎間ゴム(小さなゴム)を使用します。患者様ご自身で取り外しをしていただきます。この顎間ゴムは、良い方向に歯を動かすために使用します。ご飯の時と、歯磨きの時以外は出来る限り(24時間)つけていただきます。MEAWを使用される場合は、顎間ゴムのご協力をお願いいたします。
矯正治療にはいろいろなやり方があり、装置の種類によっては症状によって向き不向きがあります。
当院では治療を行う前に、矯正相談で気になる所や不安な所をお聞きし、治療前の不安を解消させていただきます。次に精密検査をさせていただき、その精密検査の結果を元に診断をさせていただきます。そこで患者様のご希望も踏まえながら今後の治療計画の説明をしっかりさせていただきます。
ぜひ矯正治療について少しでも気になる方は、お気軽にご相談ください。
この記事は、河底歯科・矯正歯科院長河底晴紀が書いております。
・歯学博士
・日本矯正歯科学会認定医
◾️所属
・FCDC
・福山市歯科医師会 理事
・一般社団法人福山市歯科医師会附属福山歯科衛生士学校 歯科矯正学講師