福山市で矯正治療をしている河底歯科・矯正歯科の河底晴紀です。今回はスプリント療法について書いていきたいと思います。
皆さんは普段、口を開けたり閉めたりしたときに顎に疲れや痛みがありますか?
カクカク音が鳴っていませんか?
こういった症状は顎関節症といって、顎の関節や顎の筋肉の病気です。
顎関節症の原因は、悪い歯並びやかみ合わせ、歯ぎしりや食いしばり、ストレスなどで引き起こされます。
ちなみに私もその一人で、大きく口を開けると顎がカクカクし、寝るときは食いしばる癖があります。
最近はこのように顎関節症の症状のある患者さんが増えています。
顎関節症の治療をするためにはスプリントというマウスピースを装着する治療をしていきます。(スプリント療法)
これは顎関節症の様々な症状に対して効果があります。
歯の型取りをして一人一人に合ったものを製作し、上顎か下顎のどちらかに覆うものになりますが当院ではほとんどの方が上顎にスプリントを入れています。
(写真は下顎用のスプリントです)
スプリントの目的は、顎の位置を安定させて、筋肉の緊張を和らげる顎関節症の予防です。
スプリントを使用すると噛む力がすべての歯で均等になり、顎関節や周りの筋肉にかかる負担が軽減されます。就寝時の歯ぎしりや食いしばりの負担も軽減することができます。
基本的には夜寝る前にはめて使用しますが、昼間もくいしばっている方は昼も使用すると効果が出てきます。
また、矯正治療をされる方で顎関節症と診断された方は矯正治療前にスプリントを製作していただき、矯正前に顎位を安定させる意味で使用していただくことがあります。
顎関節に症状があるのにスプリントを使用せずに矯正治療をしてしまうと本来かみ合わせの位置の判断を誤ったり、矯正治療後のかみ合わせが不安定になったり、後戻りが起きやすくなったりします。そういったことを防ぐために顎関節の安定化は矯正治療を行う上でとても重要です。
この場合は、寝ているときはもちろん、日中も使用していただいています。
スプリントは顎関節に症状のある患者さんに使用していただいていますが、皆さんやはり最初は異物感や違和感がある方が多いです。毎日入れていれば不思議と慣れましたと言われる方がほとんどです。
そして、顎が楽になった、カクカクするのがなくなった、肩こりや頭痛も減ったと複数の方からお声をいただいています。
スプリントには歯並びをよくする矯正力はありませんが、口をスムーズに動かすことができ、顎の症状の緩和させます。顎の状態に不安やお悩みのある方は相談してみてください。
この記事は、河底歯科・矯正歯科院長河底晴紀が書いております。
・歯学博士
・日本矯正歯科学会認定医
◾️所属
・FCDC
・福山市歯科医師会 理事
・一般社団法人福山市歯科医師会附属福山歯科衛生士学校 歯科矯正学講師