今日は矯正治療について書きたいと思います。
矯正の中でもきれいに並べた後の保定とその装置についてです。
保定というのはブラケットやワイヤーなどを使って歯をきれいに並べていき、移動した歯や顎骨をその位置と状態で長期間保持し、安定できる条件を整える処置のことです。
なぜこのような処置が必要かというと、装置を使って元々生えていた位置から力を加えて動かしても、装置を外し、フリーの状態にしてしまうと、歯は元の位置に戻ろうとまた動いてきてしまうのです。これを“後戻り”と言います。
矯正治療には必ずこの後戻りのリスクが付いてきます。
この方は本来Uの字型のきれいな歯列に矯正されていたのが青丸の部分だけ少し歯列から
はみ出すような向きに移動してしまっています。
私の友人も「保定用のマウスピースをはめていなかったら隙間が出来ていた」といっており、みてみると前歯の間に隙間が出来ていました。
せっかく長い時間をかけてきれいに並べた歯でも後戻りはあっという間にしてしまいます。
なので後戻りしないようにつけておくリテーナー(保定装置)がワイヤーやブラケットにもまして重要なのです。
当院では固定式のものと取り外しできるもの二つのリテーナーを使って後戻りの防止をしています。
まずは、固定式のリテーナーです。
だいたいの場合、上下の前歯の裏のあたりにワイヤーを接着剤でくっつけて後戻りの防止をします。
かなり細めのワイヤーなので実際に付けた方もすぐ慣れて気にならなくなると言っていました。
もう一つは夜寝るときにはめてもらうマウスピース型のリテーナーです。
夜寝るときの姿勢(横向きとか)によっては歯列に横からの圧力がかかり、歪んでしまうこともあります。
そうならないために夜はめていただきます。
こちらもかなり薄めの素材で作っているので違和感なく使えるものです。
また保定装置を付ける側の方が気になるのはいつまでつけるの?という所だと思います。
このつける期間については先生ごとに様々な考え方がありますが、当院の院長の考えとしては、できるだけ長く!になります。
最初にも言ったように外すと後戻りのリスクが上がってしまうので、できるだけ長く、年単位での装着をお願いしています。
他にもリテーナーはたくさん種類がありますが今回は当院で主に使用しているものをご紹介しました。
矯正治療は、単に歯並びを整えるだけでなく、患者さんのデンタルIQを大幅に向上させる要素があります。以下にその理由を挙げてみます。
1. 定期的な歯科受診
矯正治療を受けると、定期的な歯科受診が必要になります。これは、矯正装置の調整や進捗状況の確認のためです。定期的に歯科医師と面談することで、自然と歯や口腔の健康に対する関心が高まり、デンタルIQが向上します。
2. 口腔ケアの重要性を学ぶ
矯正治療中は、特に口腔ケアが重要です。矯正装置を装着していると、食べ物のカスが詰まりやすく、虫歯や歯周病のリスクが高まります。そのため、歯磨きの方法やデンタルフロスの使い方、フッ素入りの歯磨き粉の使用など、口腔ケアの方法について詳しく学ぶ機会が増えます。
3. 自分の歯に対する意識の向上
矯正治療を受けることで、自分の歯や口腔の健康に対する意識が高まります。歯が動いている過程を実感することで、歯の重要性や日常的なケアの必要性を強く感じるようになります。
4. 知識の習得と情報共有
矯正治療を受ける患者さん同士や、歯科医師とのコミュニケーションを通じて、口腔に関する知識が広がります。これにより、新しい情報や知識を得る機会が増え、デンタルIQが向上します。
矯正治療後のデンタルIQの維持
矯正治療が終了した後も、高いデンタルIQを維持するためには、以下のポイントに注意することが大切です。
定期的な歯科検診
矯正治療後も定期的な歯科検診を受けることで、口腔内の健康を維持しやすくなります。歯科医師と定期的にコミュニケーションをとることで、新しいケア方法や予防策についての最新情報を得ることができます。
継続的な口腔ケア
矯正治療中に学んだ口腔ケアの方法を継続することが重要です。毎日の歯磨きやデンタルフロスの使用を習慣化し、口腔内を清潔に保つことで、健康な歯を維持できます。
健康意識の維持
高いデンタルIQを持つことで、他の健康に関する意識も向上します。栄養バランスの良い食事や適度な運動、ストレス管理など、総合的な健康管理にもつながります。
まとめ
矯正治療を受けることで、デンタルIQが大幅に向上し、歯と口腔の健康を長期間にわたって維持することが可能になります。高いデンタルIQを持つことは、美しい笑顔だけでなく、全身の健康にも大きな影響を与えます。矯正治療を通じて、健康な歯と豊かな生活を手に入れましょう。
矯正治療についてのご質問やご相談がありましたら、いつでも河底歯科・矯正歯科までお問い合わせください。皆様の健康と笑顔をサポートするために、全力でお手伝いします。
この記事は、河底歯科・矯正歯科院長河底晴紀が書いております。
◾️資格
・歯学博士
・日本矯正歯科学会認定医
◾️所属
・日本臨床歯科学会(SJCD)
・K-Project
・FCDC
・MID-G
・広島県歯科医師会
・福山市歯科医師会 理事
・一般社団法人福山市歯科医師会附属福山歯科衛生士学校 歯科矯正学講師