先日、勤務医の先生ががセミナーで発表した治療計画を院内ミーティングで見せていただきました。
見せてもらった症例で感じたことは“資料から現状を読み解く大切さ、大変さ”と“咬合力が歯に与えるダメージは大きい”ということです。
強い咬合力がずっと加わっていると知らず知らずのうちに歯や骨に影響を与えています。
①歯ぎしりをしている歯が削れてしまう
②力が加わったところが欠けてしまう
③神経を抜いている歯は力に耐えられず歯根が折れてしまうことが多い
④顎の関節にだるさや痛みが出てしまう
⑤歯を支えている歯槽骨が歯周病じゃないのに下がってしまう
など悪い影響が多いです。
特に力は奥歯に加わることが多いので咬合力が強い人は自分の力の強さで奥歯からどんどん歯を失っていき、口腔の崩壊を招いてしまうこともあります。
咬合力は、なかなか自分で強いかどうかわからないと思いますが、ずっと加わり続けている力は口の中に影響を及ぼしているのでそこから読み取ることが可能です。
まず、写真から分かるポイントです。
写真からは骨と歯の両方の影響を見ることができます。歯列の内側にボコボコっと出っ張っているのは骨です。
これは力の加わっている辺りの骨は分厚くなってできるもので“骨隆起”と言います。
他にも、歯のすり減り(咬耗)や一部歯質が楔状にかけてしまう“楔状欠損”も確認できます。
次に、レントゲンから咬合力の強さが分かるポイントです。レントゲンからは骨への影響を見ることができます。
ずっと強い力が加わる箇所は頑丈になるので分厚さが増し、咬合力の弱い人と比べると
明らかに骨の分厚さが違いますし、いわゆるエラの張ったような直角の骨になっています。
逆に咬合力が弱いひとは角度のついたようなシュッとした感じの骨になっています。
以上のように写真やレントゲンから咬合力が強いことを自覚していなくても知ることができます。
歯科医師は患者さんの口腔内を写真や模型などの資料から情報を集めていき、現状の把握や、主訴が起こってしまった原因、主訴以外の口腔内の問題点、そしてそれらすべてを踏まえての治療計画を考えます。
私たち歯科衛生士は歯周病以外の診断を行うことはできないのでドクターの治療の診断を少しでも手助けできるように資料採得の規格性や問診やコミュニケーションをとって中で主観的情報を少しでも引き出せるように努めようと思いました。
このブログは歯科衛生士の佐藤が執筆しています。https://www.kawasoko-dental.com/staff.html