こんにちは。
トリートメントコーディネーターの重森です。心地よい天候が続いていますね。
このころの気候は年中のなかで一番穏やかで気持ちのよいときですね。今日は、一見歯の話とは関係ないような「こどもの睡眠障害と成長との関係」についてお話したいと思います。
日本のこどもの睡眠時間は世界的に見ても短いと言われています。
あなたのお子さんの睡眠時間は十分でしょうか?
睡眠不足がもたらすもの・・・
睡眠不足は成長ホルモンの分泌にも影響を及ぼします。
成長ホルモンは睡眠時に分泌されますので、睡眠不足だと分泌量が低下して成長障害をきたしたりします。
また、知能指数や学業成績の低下、発達障害などがおこるという報告もあります。
この睡眠不足は、親の就業形態や核家族化などにより、こどもが十分に睡眠をとる環境が整っていないことなどが指摘されています。
しかし、環境のせいばかりではありません。
今回のテーマである「睡眠障害」、これも睡眠不足の原因です。
睡眠障害の中でも、歯科と関わりが深いのが「睡眠関連呼吸障害」です。
「睡眠関連呼吸障害」とは、いわゆる無呼吸症候群やいびき症のことをいいます。
睡眠中に上気道の閉塞や狭窄がおこり、無呼吸や低呼吸を繰り返し、そのたびに覚醒して睡眠が分断される障害です。
特にいびきがその初期症状と言えます。
その他にも、
・日中の強い眠気
・注意力散漫
・いつも口を開けている
・情緒不安定
・多動性、攻撃性
・おねしょ(夜尿症)
など、日常生活への影響から、発達面での問題も生じると言われています。
子どもの場合は、一般的にいびきがひどくなっても呼吸が止まる(無呼吸)までには至りません。
脳の成長発育の為、大量の酸素を必要とする子どもは、気道を広げる筋力が強かったり、
えび反り姿勢をとったり、うつぶせ寝、横向き寝などして気道を確保しようとします。
しかし、無呼吸にはなりませんが、呼吸が細くなったり、息苦しさからたびたび覚醒してしまったりします。
子どもの睡眠時の呼吸障害の原因は、
・鼻内疾患
・扁桃肥大
・アレルギー性鼻炎
・小顎
などがあり、上気道の通気性が悪くなることで引き起こされます。
子どもの睡眠関連呼吸障害では主に医科的治療法が優先されますが、歯科的治療が必要な場合もあります。
小顎といって、上の顎に対して下の顎が後退している場合(図1)や、
上顎の歯列弓が狭い場合(図2)などです。
(日本形成外科学会より)
顎骨を広げることにより、鼻腔が拡大したり、舌位が改善して、結果上気道が拡大したという報告もあります。
また、MFT(口腔筋機能訓練)を行うことにより、症状が改善したという報告もあります。
いったん低呼吸、無呼吸の習慣がつくと、完治は難しいと考えられています。
そうなる前に、成長期に上下顎を適切に発育させれば、気道の狭窄を防ぎ、睡眠関連呼吸障害の発生を未然に防げる可能性があります。
お子さんのいびきが気になる、日中とても眠そうにしている、歯並びが悪いかもしれない・・・
このようなことに気づいたら、当院へご相談ください。
お子さんの健やかな成長を当院もお手伝いしたいと思っています!
新しい時代を生きていく子どもたちに良質な眠りを!!
この記事は、河底歯科・矯正歯科院長河底晴紀が書いております。
・歯学博士
・日本矯正歯科学会認定医
◾️所属
・FCDC
・福山市歯科医師会 理事
・一般社団法人福山市歯科医師会附属福山歯科衛生士学校 歯科矯正学講師