今日は前回と引き続きお口が開いている子についてや予防法についてをお話ししたいと思います。
お口がぽかーんと開いてしまうのを防ぐためにどんなことに気を付けなければならなのか。
まずは食事の際の姿勢についてです。
家族みんなで食卓を囲む際のテーブルやイスはお子さんに合っていますか?
大人に合わせたもので子供の足はフラフラ浮いている。なんてことはないでしょうか?
小さいときは子供用のイスを使っていても成長とともに子ども自身がお父さんお母さんと同じようなイスが良いということもあるかもしれません。
しかし、正しい姿勢は口腔機能の発達にも大きく関わっています。
両足はしっかり床につき、首は前や後ろに傾いたりせず、まっすぐ伸びた姿勢が良いでしょう。
また、食事の途中でお茶や水など水分を与えるのもあまりよくありません。
これは、食べ物をあまり咬まずに水分で流し込んだりしないようにするためです。
食べ物を口に入れたら奥歯でよく噛み、飲み込むまでは口を開けないようにするのが良いでしょう。
お口ぽかーんの子は口呼吸のしているので食事中も口で息をするために口を開けるんです。
そうするとクチャクチャと音がたったりするのを気にする保護者さんもいらっしゃいます。
飲み込むまで口を開けないようにという約束をするとその間は鼻で呼吸するようにもなるため鼻呼吸の練習にもなるでしょう。
また食事シーンで注意しなければならないのはストローです。
口腔機能の発達のためにはストロー飲みは必要ありません。
むしろストローで飲もうとすると乳児嚥下が持続してしまい、成人嚥下を学習する機会が減ってしまうのです。
そして、離乳食期に大切なのは内舌筋という舌の筋肉を鍛え、飲み込むときの圧(嚥下圧)を上げることです。
これは捕食したり、コップから飲もうとすることで培われていきます。
いきなりストロー飲みからコップで飲もうとするとこぼしてしまったり難しいかもしれません。
まずはスプーンで啜って飲むような練習から始めるのが良いかもしれません。
そして口腔機能の発達には体幹を鍛えることも大切です。
小さい子が遊びながら体幹を鍛えるのには風船を使ったものをおすすめします。
風船をポンポーンと真っすぐ上にあげるのです。ただし手首だけではまっすぐ上がりません。
両足をしっかりと地面に付けて、膝を曲げたりしながら体全体を使って遊びます。
こうすることによって遊びながら体幹を鍛えることができます。
小さい子にいろんなことを強制することは難しいかもしれません。
しかし小さい頃からの癖を大きくなってから治すのはとても大変です。
小さい頃から少しずつ悪い癖にならないように導いてあげることが大切でしょう。
この記事は、河底歯科・矯正歯科院長河底晴紀が書いております。
・歯学博士
・日本矯正歯科学会認定医
◾️所属
・FCDC
・福山市歯科医師会 理事
・一般社団法人福山市歯科医師会附属福山歯科衛生士学校 歯科矯正学講師