虫歯が進んでいて大きく削らないといけなくなってしまうと、強度の問題などで詰め物だけで治療ができないことがあります。
そのような場合、歯の土台をつくってかぶせを入れていきます。
また、かぶせにも保険適用するものとしないものがあり、種類も豊富なので、人によってかぶせを選ぶ基準は様々です。
昔からかぶせを入れている方ですと、金属(銀歯)のかぶせを入れている方がほとんどかと思います。 最近では、審美的なことや2次虫歯のリスクのことも考え、白いかぶせ(セラミック)にしたいという方も増えてきています。
一般的に、セラミックの治療というと、自費診療というイメージがあるかと思いますが、
実は、4年前ぐらいから、保険治療で金属を使わない白い歯も選択肢のひとつとして使われるようになっています。それはいわゆる、CADCAM冠(キャドカム)というものです。
材質はプラスチック(レジン)でその中にセラミックを混ぜた素材になります。
CADとは、コンピューター支援による設計、CAMはコンピューター支援による加工・政策のことです。
お口の中に付ける、かぶせをCADCAMのシステムを用いて設計、作成するものです。
当院では歯を削った後、歯の型をとって石膏模型をし、技工所へ送ってスキャンした後、データをもとにCADCAM装置を用いて技工物をデザインし塊から削り出し作成しています。
保険適用されたころは上下の4,5番の小臼歯のみの適応でしたが、2年前からは条件付きで、上下左右とも7番(第二大臼歯)がある方のみ下顎の6番(第一大臼歯)の歯にも使えるようになりました。上顎の6番(第一大臼歯)は適用となりませんのでご注意くださいね。
今の時代はメタルフリーへと変化をしています。
しかし、自費診療のセラミックに比べれば劣る点もあります。
・いれたての時は他の歯となじんでいますが、時間が経つと変色をしてくる
・単調な色で透明感がない
・素材が弱いので摩耗しやすく耐久性はない
・プラスチックなので歯垢(プラーク)が付きやすい
・機械で作るため適合性は自費のもので技工士が作るものより劣る
・隙間から2次虫歯になりやすい
このように、どうしても自費のセラミックよりも透明度や適合性、色味など見た目に劣る部分もあります。
ですが、こだわらなければ十分な白さですし、従来の保険治療では小臼歯や大臼歯は銀歯しかかぶせられなかったのが、CADCAM冠の保険適用に伴い、保険でも白い歯が入れられるようになったことは、皆さんからするととても喜ばしいことですよね。
これまでは、高いお金を払わないと白いかぶせを入れることができなかったかと思いますが、今では保険治療の幅の広がっていることや新しい技術が取り入れられたことによって理想の白い歯を手に入れることができます。
銀歯でしか治せない・・・と諦めていた方もきっと少なくありませんよね。
今後も、国の保険制度が進展して完全なメタルフリーの時代がやってくるといいですね。
この記事は、河底歯科・矯正歯科院長河底晴紀が書いております。
・歯学博士
・日本矯正歯科学会認定医
◾️所属
・FCDC
・福山市歯科医師会 理事
・一般社団法人福山市歯科医師会附属福山歯科衛生士学校 歯科矯正学講師