今日は口内炎の話をしたいと思います。
堀ちえみさんのニュースがあってから今までただの口内炎と思っていたものが気になりだしたという方が増えています。
患者さんからも「ベロにできたのも口内炎っていうのかしら・・・」と質問を受けたりします。
答えはYES!なんです。
実は口腔内の粘膜の表面にできた炎症は全てまとめて『口内炎』と言われます。
口内炎ができた部位によって 舌炎や口唇炎、口角炎と分類させることもあります。
病態によって アフタ性口内炎や潰瘍性口内炎と分類されるものもあり、一口に口内炎と言っても詳しく見てみると様々な種類があります。
次になぜ口内炎ができるのかです。
原因は様々ですが明らかになっているものは、細菌・真菌・ウイルスなどによる感染症として起こるものです。
これも感染している菌によって名称が違ってきます。
よく聞くものではヘルペス性口内炎があります。これは単純疱疹ウイルスに感染することによって起こります。
感染症以外では抗菌薬やステロイド薬を服用していること・アレルギー・白血病・放射線などの関与が考えられ、他にも体調が悪いときにできやすいことから全身疲労や風邪・胃腸障害・ビタミン欠乏などが考えられます。
さらに金属などのかぶせ等の補綴物で不良なもの、むし歯などによる粘膜への刺激も原因となることもあります。
次に口内炎の治療法についてです。
一般的に口内炎にはステロイドを含む口腔内用軟膏や貼付薬が使用されます。
この薬は口内炎にとてもよく効きます。
さらに口内炎は時間の経過とともに自然に治癒することも多いです。
当院では院長の所見の下で次の処置を行います。
①軟膏の処方
当院では『デキサルチン口腔用軟膏』の処方を行っております。
②レーザー処置
レーザーを当てることで炎症を抑え、傷の直りを早めることができます。
レーザーと聞くと痛そうに感じるかもしれませんが痛みはほとんどありませんのでご安心ください。
最後に予防法についてです。
・口腔内を清潔に保つこと
口腔内疾患の原因が細菌であることが多いです。ですからまず口の中の細菌を減らす事が大切です。
・体調を整える
体の免疫が下がっていると普段悪さをしない細菌でも原因になることもあります。
バランスの良い食事や十分な睡眠をとることが大切です。
・粘膜への刺激を無くす
歯の尖っている箇所や口に合わなくなった補綴物などがずっと粘膜に当たって刺激しているとそこに炎症が起こることがあります。
被せのやり替えや尖った部分を磨いて丸めることで刺激を取り除くことが大切です。
今日は口内炎についてお話をしてきました。
先ほども話したように口内炎は薬や時間の経過とともに治っていきます。
しかし、全身疾患の初期症状として口内炎ができるということもあります。
「薬を塗っても治らない」「しばらく経っても治らない」という場合は放っておかずに
速やかに病院を受診するようにしてください。
この記事は、河底歯科・矯正歯科院長河底晴紀が書いております。
・歯学博士
・日本矯正歯科学会認定医
◾️所属
・FCDC
・福山市歯科医師会 理事
・一般社団法人福山市歯科医師会附属福山歯科衛生士学校 歯科矯正学講師