最近「顎が痛い」「口が開きにくい」「カクカク音がする」とおっしゃる患者さんが多いようです。
その症状、顎関節症ではないですか?
最近は顎関節症の人が増えているようで、男性より女性の方が2~3倍多く、特に20代と50代の女性に多いようです。
顎関節症という言葉は聞いたことあるけど詳しくは分からないという方は多いと思います。
よって、今日は顎関節症についてお話ししたいと思います。
ではまず顎関節の構造を簡単にご説明します。
顎関節は図で表すとこのようになっています。
頭蓋骨の骨と下顎の骨がこのように凸凹がはまるような形になっており、
この骨と骨の間には軟骨と同じようなクッションの役割をしている関節円板からなっています。
この下顎の骨が前に移動したり回転することで口を開閉する運動をしています
次に顎関節症についてです。
顎関節症とは、顎関節や咀嚼筋の痛み・関節雑音(カクカク音がするなど)・開けると痛い・口が開きにくい(開口障害)など顎関節に起こる慢性的な疾患の総合的な名称のことです。
人によっては耳痛・耳鳴り・めまい・頭痛・頚部痛など周りの組織に痛みが出る場合もあります。
そして顎関節症は原因や痛みのある箇所によって5つのタイプに分類されています。
Ⅰ型:咀嚼筋の痛みが主な症状で顎関節に痛みがないタイプ
Ⅱ型:持続的な外傷や下顎を強く打ったことにより顎関節の周りの
組織が傷ついてしまったタイプ
Ⅲ型:関節円板の位置がずれたり、変形したことが原因で関節雑音・開口障害・痛みなどが生じるタイプ
Ⅳ型:顎関節に強い負荷がかかり骨自体が変形してしまったタイプ
Ⅴ型:それ以外が原因のタイプ(不安やストレスが原因のものも含む)
この中でも特にⅢ型の関節円板に障害のあるタイプが60%ほどを占めるそうです。
原因は一つというわけではなく、咬み合わせの異常、歯ぎしりや食いしばりなどの悪習癖、ストレスなど様々な要因が合わさって発症・増悪すると考えられています。
そして顎関節症の診断にはご本人の自覚症状と顎関節やその周辺の筋肉の触診や口が最大どのくらい開けられるかの距離や顎運動の診査などの一般診査と歯科用のエックス線診査などの画像診査を行いどのタイプか、どのくらい重症かを診断し治療を行っていきます。
次に治療についてです。
当院は症状や顎関節のレントゲンを元に院長が診断し、必要ならばスプリントの作製を行っています。
今書いてきた症状に心当たりある方、顎関節などにお痛みのある方はお気軽にお声がけください。
この記事は、河底歯科・矯正歯科院長河底晴紀が書いております。
・歯学博士
・日本矯正歯科学会認定医
◾️所属
・FCDC
・福山市歯科医師会 理事
・一般社団法人福山市歯科医師会附属福山歯科衛生士学校 歯科矯正学講師