(赤文字は週刊新潮、富士ゼロックスの広告より転載)
昨年(2002年)の5月31日から6月末まで、日本はもちろん世界中を興奮させるワールドカップが日韓共催で開催されたことはまだ記憶に新しいことです。
試合が始まる前から、練習地の芝のトラブルや予定のチームの遅刻騒動などで、かまびすしいことでありました。その中のひとつとして、サッカーボールのステンドグラスを製作したという記事が新聞紙上で紹介され、またテレビなどでも報道されました。
不肖私の妻も趣味でステンドグラスを習っており、かねがね「教科書通りのものを作っててもダメだよ、オリジナルの作品を作らなければ
・ ・ ・ 」と話していたので、「サッカーボールを作ってみては?」と進言しました。
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週刊新潮、富士ゼロックスの広告ページより転載 |
たまたまこの少し前に、週刊新潮の富士ゼロックスの広告ページに“ボールの進化、プレイの進化”というタイトルで、サッカーボールの公式球の変化・歴史が紹介されていました。興味深く感じた私は、コピーして保存してあったのです。それを思い出し、歴代の公式球を作るよう提案しました。妻は「難しそう!」と言っていましたが、作ることになりました。
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1966年
イングランド大会以前
20世紀にもっとも長く用いられたのが、
ヒモで閉じた12枚縫合の牛革ボール。
真球性が低く、リバウンドが不規則だった。 |
実物を見たこともなく、見本もありません。コピーを見ながら、また新聞や週刊誌にカラー掲載されたものなどを参考にしながら、私が図面を作り妻がガラスの色を選定して、作業を進めました。
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1970年
メキシコ大会「テルスター」
真球に近くなるよう、アルキメデスによる
32面体構造を初採用。名前の由来となった
テレビ映りのよい白黒のコントラストが
グランド上の視認性も高めた。 |
歯科医師と関係があるの?
ステンドグラスの設計は、できるだけ小さな凹面を作らないというのが基本だと感じているのですが、シロウトの私が書いた図は製作しづらい形態が多くなります。そのような部分は歯科用のエアータービンを使用して手伝ったのです。習ってもいない私が手伝う(?)のですから、ガラスを加熱し過ぎて完成間近に割ってしまうなど、逆に邪魔をしていることもたびたびでした。
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1978年
アルゼンチン大会「タンゴ」
Y字をつなげたようなタンゴシェイプに
デザインが一新。ボールのスピードはもちろん
回転方向も認識でき、プレイが進化。 |
ワールドカップ開始前になんとか仕上げることができました。並べてみると、あつかましくも他のヒトにも見ていただきたいという気持が高じ、福山グランドホテルの小林社長さんにお願いして、ホテルのロビーに展示させていただけることになりました。
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2002年
韓国・日本大会「フィーバーノヴァ」
タンゴ以来デザインを一新。金と赤で、
大会への情熱を表現し、ボールの動きが
より見やすくなるよう、4つの流線型の
三角形をバランスよく配置した。新改良の
フォーム材で、強度とコントロール性をさらに向上。 |
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私が小・中学生の頃にはまだサッカーが盛んでなく、ドッジボールのような縫い目のあるボールを使用して体育の授業で教わったものです。いつの間にか白黒のボールになっており、サッカーボールは白黒だと思っていましたら、公式球にもこんな歴史があったとは大変な驚きでした。
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